農林中央金庫は、保有する米欧の国債およそ10兆円相当を売却する計画を明らかに

農林中央金庫は、保有する米欧の国債およそ10兆円相当を売却する計画を明らかにした。
読みが外れた外債投資での損失を確定させると農林中金の広報担当が明らかにした。

国債の売却は2025年3月末までに実施されると、農林中金は説明し、
売却分は、農林中金のグローバルポートフォリオの約6分の1を占めており、
この損失処理で
25年3月期の最終赤字は1兆5000億円と、当初見込んでいた5000億円の3倍に膨らむ見通しだと、広報担当は説明している。

米欧の金利がそれほど長く高止まりしないと読み誤り含み損が発生する状況を受け、農林中金は先月、投資ポートフォリオの改善を図る方針を示していたか、
その後1カ月足らずでグローバルソブリン債を処分する具体的な動きが明らかになった。

先月の投資家向けプレゼンテーションによると、農林中金は3月時点で債券ポートフォリオに2兆1900億円の含み損を抱えていたのだ、
債券の保有は31兆3000億円相当と、ポートフォリオ全体の約56%を占める。保有する債券とクレジットのうち、36%が満期1年未満、31%が5年から10年以内という。
投資ポートフォリオ全体の半分余りが米ドル建てだった。
国債保有による損失は農林中央銀行だけではなくこれからも出てくる問題となってくるだろう。

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