年内に3回利下げ
ゴールドマン・サックス・グループが、金融緩和に向けた状況は整っているとの見方を示したことが背景として、米連邦公開市場委員会(FOMC)が年内に3回利下げするとの見方を強めている。
金利スワップ市場では15日、年内2回の0.25ポイント利下げが完全に織り込まれているほか、
3回目の利下げの確率も約60%に達した。初回利下げについては9月が広く予想されているが、ゴールドマンのエコノミストらは、FOMCが7月にも利下げを決定する「確かな論拠がある」と指摘している事からドルの上値は重くなっている。
15日には、12月限の金利は一時4.66%を下回る水準に低下し、3回目の利下げが60%超の確率で織り込まれた。ゴールドマンのエコノミストらが、最近のデータは7月の利下げを正当化すると指摘した後、金利の低下ペースは加速した。ただゴールドマンは、利下げ開始は9月という予測自体は変えていない。
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は15日、ワシントンのエコノミック・クラブで行われたインタビューで、最近の経済データを受けてインフレ率が目標の2%に向かって低下しているとの確信を当局は強めたとしつつ、利下げのタイミングについてシグナルを送る考えがないことも明確にした。
しかし、同氏はドッドプロットを9月に下げている。
予想されるFOMCの利下げ回数は、年初時点をなお大きく下回っている。年初には景気減速の予想が広まり、金利スワップは年末までに少なくとも6回の0.25ポイント利下げを織り込んでいた。