政府効率化省
大統領選で自身を支持し巨額の献金を行った実業家のイーロン・マスク氏とビベック・ラマスワミ氏が、「政府効率化省(DOGE:Department of Government Efficiency)」を率いることになると発表した。「政府の官僚主義を廃し、過度な規制を削減し、無駄な支出を減らし、連邦政府機関を再構築する」ことが任務になるという。マスク氏は投稿サイトのツイッター(現X社)を買収後、大胆なリストラを行った実績がある。他方、政府の規制に強く反発していた。
マスク氏が政府の歳出削減でその手腕を発揮すれば、景気抑制効果が生じる一方、財政環境を改善させることで、物価上昇、長期金利上昇を抑える可能性がある。そうなれば、トランプ政権の経済政策が生じさせるのは、株高、ドル高ではなく、株安、ドル安になるのではないか。現在のトランプトレードは方向を変える可能性がある。
マスク氏の存在は、トランプ次期政権下での景気、財政環境、そして金融市場を占ううえで、不確実性を高めている。